こんにちは。
「シェアリアル東京」の谷口です。
ズバリお聞きしますが、あなたが運営しているシェアハウスの家賃回収率は何%でしょうか?
もちろん本来は100%になるのが当たり前なんですが、現実は振込期日までに100%されることの方が稀ですし、最悪の場合「滞納」というケースも起こりえます。
一生懸命頑張って入居者を集めても、肝心の家賃が入金されなくては元も子もありません。
そこで今回は、家賃回収率を99.9%以上に高めることが出来る方法をお教えします。
それでは早速いってみましょう!
家賃未払い3つのパターンとその対処法
家賃の未払いは主に
- うっかり忘れ
- 後回しにされている
- 金銭的理由で支払いが困難
の3パターンに分類できます。
割合で言うと、9割がAパターン、残りの1割がBパターンやCパターンといった感じです。
Aパターンについては、これからご紹介する2つの予防策を行うだけで劇的に少なくすることが出来ます。
従って、小・中規模の物件ならその2つさえキチンと行っていれば、家賃回収率は必然的に100%になります。
万が一BパターンやCパターンが起きてしまった時にはいくつか対処をしなければなりませんが、それもこれからお教えする方法でほぼ間違いなく回収に繋がりますので、慌てず騒がず実践してみてくださいね。
ではまず、2つの予防策かについてご紹介します。
未払い予防策① 信頼関係の構築
家賃未払いの予防策として、一番大切なのが「入居者との信頼関係の構築」です。
「えっ、そんな当たり前のこと?」
と思った人もいるかもしれません。
しかし、ハウス美化や設備維持といったハード面の管理ばかりに気を取られてしまって、これが出来ていないオーナーさんや事業者さんが意外と多いんです。
(しかも、もともと不動産業を営んでいた比較的規模の大きな事業者さんに多い例です。)
もちろんシェアハウスだからといって、全ての入居者が交流に積極的なわけではありませんし、交流を望まない入居者に対して強要するようなことはあってはいけません。
しかし、共用設備があるシェアハウスは、一般賃貸に比べれば圧倒的に入居者とのおミュニケーションが取りやすく、信頼関係も築きやすい環境と言えます。
何も特別なことをする必要は無く、メンテナンスや内覧で物件を訪れた時に、顔を合わせた入居者に挨拶をしたり、他愛も無い会話をするくらいで良いんです。
こちらはあくまでもシェアハウスの運営者なんですから、「シェアハウス運営の中で生まれる入居者とコミュニケーション」こそ大切にすべきなんです。
信頼関係は一朝一夕に構築できるものではありません。
しかし、やり取りをしていく中で見えてくる入居者のキャラクターに合わせてコミュニケーションを図っていれば、少しずつでも確実に信頼関係は生まれていきます。
面倒臭がらずに、しっかりと腰を据えて取り組んでみてください。
未払い予防策② 期日前のアナウンス
先程も言った通り、未払いの約9割は「うっかり忘れ」です。
では、忘れさせないためにはどうすれば良いか?
家賃の支払い期日前にアナウンスをすれば良いんです。
ポイントは10日前、5日前、前日といった感じで複数回に分けること。
人間は「忘れる」生き物です。
「契約書に書いてあるんだから、守れないほうが悪い!」なんて言わずに、アナウンスしてあげましょう。
アナウンスせずに未払いが起こって「督促」になってしまうより、アナウンスの一手間で期日までに入金された方が、こちらも入居者も絶対に気持ちが良いはずですからね。
未払い発生時の対策
ここからは予防策の2つをしていたのに未払いが起こってしまった時の対処法です。
ここからの対処で鍵となるのは、「スピード感」です。
くれぐれも
「きっと払ってくれるだろう」
「明日は入金されるだろう」
といった甘い考えは持たないようにしてください。
そのちょっとした緩みが、回収の遅れや未回収に繋がってしまいます。
第一段階 アプローチ
入金期日を過ぎての未払いは、先述した3つのパターンのうち
- 後回しにされている
- 金銭的理由で支払いが困難
のどちからかとみてほぼ間違いありません。
まずは未払いの方が、この2つのどちらに当たるかを把握する必要があります。
そこで、最初に行うべきことはとにかく本人と連絡を取ることです。
しかし、この段階まで来てしまう人は、ただメールを送っただけではほぼ100%リアクションがありません。
では、どうやったら連絡が取れるのでしょうか?
実は未払い予防策①がここでも役に立つんです。
たとえば、その入居者さんがどんなお仕事をしているのかを知っていれば、連絡が取りやすい時間帯や方法についても想像がつきますし、他の入居者さんに「ラウンジで見かけたりしますか?」といった質問も出来るからです。
日頃のコミュニケーションから、相手が一番連絡を取りやすいであろう方法を選択して一刻も早くアプローチしましょう。
第二段階 アナログ作戦
第一段階で連絡がつかなかったら、次に試すのは書き置きです。
アナログな戦法ですが、意外と効果があります。
ポイントは、ポストに入れるのではなく、部屋の扉の隙間に挟む事。
次回のハウス訪問時に帰宅しているか否かを判断できます。
第三段階 部屋訪問
第二段階でもリアクションが無ければ、本人が帰宅していそうな時間を狙って部屋を訪問します。
訪問する場合はある程度物件に滞在する時間を確保しておくとベターです。
訪問に合わせて備消耗品のチェックや清掃をしたり、PCを持って行って共用部で仕事をするなどしていれば、待ち時間も有効に活用できます。
ここまでやれば、基本的には100%本人に会うことが出来るはずです。
最終段階 連絡が取れたあとの対応
どこかの段階で連絡が取れたら、いよいよ最終段階=家賃の回収です。
ここからの対応は、それぞれのパターンで方法に違いがありますので、分けてご説明します。
後回しにされている場合の対応方法
ポイントは「振り込んだ方が楽だ」と思わせることです。
「本日支払いをお願いします。」
「入金したらご一報お願いいたします。」
「確認が出来なかったのですが何時頃お振込いただきましたか?」
など必要以上に丁寧に、細かく、振込みまでの行動を確認し、こまめに連絡をすることで、
「振込をしないとこんな面倒なことになるんだ」と思わせてしまえばOKです。
金銭的理由で支払いが困難な場合の対応方法
この場合はできるだけ具体的に支払えない理由をヒアリングします。
今いくら払えるのか?
いつまでにいくら払えるのか?
といったことをヒアリングしたうえで、未払い分の支払いについて約束をし、書面などで形に残します。
また念のため万が一連絡が取れなかった場合は入居時に情報として預かっている緊急連絡先(両親や親族)や、勤務先に在籍確認をすることなどを説明し、承諾してもらうことまでしておくとより効果的です。
未払い対処中の注意点
ここまで段階ごとの対処法についてご説明しましたが、対処全体を通じて注意すべきことが2つあります。
まず1つ目は、「対処の経緯について証拠を残しておくこと」です。
これはいわゆる証拠づくりとしての意味合いもありますが、記録を残しておくことで組織内での報告はもちろん、類似事例に対するノウハウの蓄積にもつながります。
2つ目は「脅しや迷惑行為となるようなことはしない」ということです。
家賃の未払いは支払い責任を履行しない入居者側に否があることは明らかです。
しかし、相手が「ならず者」なら何でもして良いという理屈は通りません。
相手もあなたと同じ人間です。
こちらが誠実に対応していれば、相手も誠意を見せてくれますし、対応が的確であればあるほど、あなたとあなたのハウスについての信頼や評判を高めることにも繋がるのです。
0.1%前後の確立で起こること
これは最悪のケースですが、第三段階まで行っても入居者に会えないことが起こります。
どういうケースかというと、「勝手に退去してしまっている」というケースです。
いわゆる「夜逃げ」のようなものですね。
こうなってしまうと、未払い分の家賃を回収するのはほぼ不可能です。
こうした事態を避けるためにも、期日後の未払い対応は迅速に行うことが大切です。
そしてやはり「入居者との信頼関係」を構築することで、そもそも未払いが起きないような環境作りに努めることが一番です。
まとめ
ということで、シェアハウスの家賃回収率を99.9%以上にする方法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
決して難しいことではないと思いますし、何より予防策さえキチンと講じておけば、その時点で9割は期日までに入金がされるようになるんです。
「督促」なんていう労力も気力も時間も削がれるような仕事に比べたら、ほんの一手間を加えたほうがよっぽど楽です。
ご自身が楽をするためにも、まずは地道に予防策から取り組んでみてください。
それでは!
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